DDM-TMA1
ダスト濃度計は企業のコンプライアンス(法令遵守)の確立、CSR(企業の社会的責任)にとって必要な環境監視機器です。
固定発生源であるボイラー、燃焼炉から排出される排ガス中のばいじんを連続的に測定するための環境モニタリング計測器「ダスト濃度計」。厳しさを増す大気汚染防止法のばいじん濃度規制値を遵守するためには、法律で規定されている数ヶ月に一度の手分析(JIS法)データと合わせ込みを行ったダスト濃度計の連続データを管理することが重要となります。ダスト濃度計は法律上の設置義務は有りませんが、このDDM-TMA1(タマイチ)型によって白煙を排出する施設に於いてもばいじんの連続モニタリングが可能になり、環境CSRを果たすことができます。
ノンサンプリング瞬間気化式光散乱ダスト濃度計DDM-TMA1(タマイチ)型とは
白煙のことを事業者は水蒸気と言いますが、周辺住民は煙だと言います。白煙は本当に水蒸気だけでしょうか?水蒸気と一緒に排出される“ばいじん”も連続測定することができれば良いのですが・・との要望から開発したものがDDM-TMA1(タマイチ)型です。
排煙脱硫装置の出口でばいじんの連続測定ができます
硫黄分を多く含む燃料を使用するボイラー、燃焼設備などの固定発生源では、排ガス中のSOx除去のために排煙脱硫装置が設置されています。この脱硫装置では石灰水などを噴霧するため、煙突から排出される排ガスには水分によるミストとばいじん(ダスト)が混在して白煙となっています。DDM-TMA1(タマイチ)型は、光散乱法を使いながらも、新技術としてこの様に白濁した排ガス中でミストの影響を受けずにダストだけを測定できるダスト濃度計です。当社のダスト濃度計の特長である「排ガスを吸引しないノンサンプリング光散乱式」をベースとし、光散乱測定部の上流側に瞬間気化装置を設けることで、排ガス中のミストを瞬時に気化させて透明にし、ダスト粒子からの散乱光だけを測定することが可能になりました。
瞬間気化式光散乱ダスト濃度計DDM-TMA1(タマイチ)型の検出器
今までの「排ガスを吸引するサンプリング式光散乱式」では、排ガス中の水分による吸引配管の目詰まりや、頻繁な清掃が必要なだけでなく、ダスト濃度の測定方法で重要な「非等速吸引による測定誤差」が問題になります。それに対して「瞬間気化装置を取り付けたノンサンプリング光散乱式ダスト濃度計」では、吸引配管を用いない構造による簡便な保守と、非等速吸引誤差が無い特長を併せ持っています。
ノンサンプリング瞬間気化装置付き光散乱ダスト濃度検出器の構造は、図で右から左へ低温の白濁排ガスが流れる時、瞬間気化装置を通過しながらミストが消滅しダスト粒子だけの光散乱を測定できます。白濁を消滅させた測定領域で投光受光の光散乱によりダスト濃度の連続測定を行います。この測定領域に周囲の白濁排ガスが回り込まない様、エアーカーテンにより仕切りを行うことで、低流速の排ガスでも測定が可能になっています。(特許第5976885号)(中国外国特許出願JNKGW-0027.155826)
簡単な設置工事
サンプリング方式と違い、吸引配管やポンプがありませんのでとてもコンパクトに設置できます。
※パージエアーとしては清浄なエアーを供給して下さい。
測定データ:製紙工場及び火力発電プラントの実例
製紙工場重油ボイラースクラバー出口
白濁が消滅してダスト濃度を連続測定できる。
DDM-TMA1/JISZ8808検量線
共同火力発電所石油ピッチ混焼ボイラー
EP出口(DDM-2001)、脱硫出口(DDM-TMA1)同時測定データ
EP出口(上:透明排ガス)と今まで測定出来なかった脱硫出口(下:白濁排ガス)ダスト濃度計の変化は同期していることが確認できる。
ノンサンプリング光散乱方式とは
投光した光がダストに当たり、散乱した微小な光を電気信号に変えてダスト濃度を知ることができます。
利点:低濃度でのダスト濃度測定が可能で、手分析との相関係数が高い測定方式です。
※光散乱式はダストの粒径、色に影響を受けますが、集塵機出口ではほぼ一定ですので問題なく測定ができます。(株)田中電気研究所のダスト濃度計は煙道または煙突に直接取り付ける「ノンサンプリング式」を採用しています。排ガスの流速に影響されず、ばいじん濃度の瞬時変化を捕らえることができます。
ダスト濃度計DDM-TMA1(タマイチ)型の特長
- 1新発想の瞬間気化装置を開発したことで、ノンサンプリング(非吸引採取)方式で白濁排ガスを気化透明にして光散乱を行い、ダスト濃度測定ができます。(特許取得特許第5453607号、5976885号、6204941号)
- 2サンプリングを行わないので、ダスト濃度の測定で重要な非等速吸引誤差がありません。
- 3ウェットな排ガス中に長期間直接取り付ける検出器は、ダスト成長による汚れを防止するために瞬間気化装置の入口、出口にエアーによるパージ機構があります。
- 4非常にシンプルで小型な機器で構成されていますので、狭い現場への設置及びメンテナンス性が良好です。
- 5排ガス中のダスト濃度の連続測定方法JISZ8852で規定している手分析との相関係数は0.9以上の実績があります。
構成図
仕様
検出器 | 瞬間気化装置(加熱ヒーター)付き・ノンサンプリング光散乱方式 |
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測定原理 | 60度後方散乱方式 |
光源 | 赤色LED光源(中心波長625nm) |
測定範囲 | 濃度換算0~100mg/m³(標準状態:0℃、1気圧)相当を0~100%出力(測定レンジは現場で可変できます。) |
外部出力 | DC4~20mA 絶縁出力(負荷抵抗 550Ω以下) RS-232C I/F出力(ポートを用意) |
指示計 | 0~100%表示のデジタルパネルメーター |
故障警報出力 | 本体電源断、校正異常、内部電源電圧異常、加熱ヒーター断線を論理和で1接点出力:ドライa接点、接点容量AC/DC200V、0.1A |
ゼロ・スパン校正 | 手動または自動校正(出荷時手動校正) 自動校正中接点出力:ドライa接点、接点容量AC/DC200V、0.1A |
積分時間 | 可変範囲 約1~100秒 |
移動平均 | 0~15分の1分刻みで設定(0設定=瞬時出力<移動平均無し>) |
温度安定度 | 外部出力 ±2%/10°C(設計中心20°C) |
手分析との相関係数 | 0.9以上 |
排ガス条件 | 温度:45°C以上、250°C以下 煙道壁測定部の流速:約12m/sec以下 圧力:+100kPa以下 |
供給電源 | 本体 : AC100V±10%(50/60Hz)、200VA 瞬間気化装置ヒーター:AC200V±10%(50/60Hz)、1.8kVA |
周囲温度 | -10~50°C(動作可能範囲) |
保護等級 | IP54相当(屋外仕様) |
外形寸法 | 検出器:340×150×272mm コントロールボックス:414×378×230mm(取付部除く) |
光ファイバー | バンドル径φ5mmを2本内蔵、標準3m |
重量 | 検出器:約10kg(光ファイバー、ケーブル含まず) コントロールボックス:約20kg |
材質板厚 |
検出器: 本体ケース:表面処理鋼板、厚さ1.6mm |
塗装 | 外装標準色:マンセル5.5PB5.5/6 粉体塗装 |
エアーパージ用 供給空気 |
計装エアー 圧力供給圧、約0.1~0.15MPaに設定 ・流す空気流量は煙道内ガス条件により変わります。 ・減圧弁(圧力メーター付)を設置願います。 |